ポリファーマシーという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
以前は5~6種類以上内服していることをポリファーマシーとすることが多かったのですが、
最近では多剤併用の中でも害をなすものをポリファーマシーと呼ぶことが多いようです。
高齢者ではたくさん病気を抱えて、いろんな診療科を受診しており、結果多くの薬を処方されることになることが多いです。
薬剤費の問題もありますが、
Microsoft PowerPoint – 4.【資料2】薬剤自己負担の引上げについて.pptx (mhlw.go.jp)
毎食たくさんの薬を飲まなくてはいけないためQOLを下げたり、薬の飲み間違いや薬物相互作用などの影響で転倒・骨折しやすくなることが言われています。
生活習慣病といわれる疾患の予防はフレイルの危険因子のため
健康寿命を延ばすというために、中高年に厳密な管理を行うことは意味のあることだと思います。
しかし高齢者になると厳密な管理に伴う有害事象が、かえってフレイル・要介護を招く可能性があります。
予防の薬で生活の質が落ちるのなら元も子もありません
高齢者にはやりすぎの薬物療法もよくないのです。
また高齢者になったら、ある程度の不調はあるものです。
医療で若返りはできません。過剰な期待はしないほうがいいと思います。
もし薬剤を飲むことで症状が楽になるなら、飲む価値もあると思います。
ただ完璧に症状がなくなることを期待して薬を多く飲んだり、いろんな種類の薬を飲んだりすると
副作用も出やすくなります。
その副作用に対してまた薬を飲む、という悪循環に陥ることもあります。
高齢者になったら、
毎食たくさんの薬をのんでQOLを下げてまで、心筋梗塞や脳卒中などの生活習慣病の予防をするよりも、
自分がある程度心地よく暮らせて、いざそうした疾患になったらそれはそれで寿命だという過ごし方が私には魅力的に思えます。
80過ぎたら下手に降圧剤を飲まないほうが、ぽっくり逝けると言う人もいます。
とはいえ、内服している薬剤を自己判断で急に内服中断すると危険な場合もあるので、それは申し訳ないのですが主治医と相談して薬を減らすことから始めてもらえればとは思います。
他院・他科で出された薬剤を調整しづらいということもあるでしょう。
また意地の悪い言い方をしてしまうと、開業医は薬を定期処方しに受診してもらえる方がお金になります(そのように考えない医師ももちろんいますが。)
様々な理由で調整してもらえない場合は、これを機にポリファーマシーにも対応してくれるような病院で診てもらうのもいいかもしれません。
また薬局で相談するのも一つです。医療機関に提案書を出してくれるかもしれません。
言われるがまま、もらうがまま、薬を飲みつづけるのはよくないということ。
飲む薬がたくさんあるほど飲み間違えや飲み忘れなどの原因になります。
またある程度の不調は老化現象です。完璧を求めないことも必要だと思います。
ある程度高齢まで生きることができたのなら、あとは余命を延ばすための内服はしなくてもいいかもしれません。それよりも今生きている質を高められた方がいいのではないでしょうか?
その薬飲むのは何のため?
生活習慣病予防のための薬はその年になっても飲みますか?
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