高齢者の医療では、本人は「いつ死んでもいいんだけどね」とおっしゃっている方も結構多いです
(もちろんそうでない方もいらっしゃいます)。
それ自体はそれぞれの考え方でもちろんいいと思っています。
そういう人がなぜ延命のための治療を受けるか。
それは医者にしたほうがいいと言われるのと、家族にしたほうがいいと言われるからです。
家族側のいいという理由も様々です
〇少しでも長生きしてほしいという気持ち
〇老後面倒をあまり見なかった罪悪感から
〇問題の先送り
〇本人の年金で暮らしている場合は生活が出来なくなるから
長生きするのが本当に本人の望んでいることなのかは、それは本人しかわかりません。
認知症含めたフレイルになって介護が必要になる前に自分らしく人生を終えたいと思う人もいるでしょう。
医療者側がいいという理由も様々です
〇心から命を延命することが大事だと思っているから。
〇医療技術を向上させたいから。
〇訴訟が怖いから(治療をしない選択をする場合はその場にいない家族から後々訴えられるということが、ままあります)。
〇(開業医や療養病院は特に)高齢者が長生きすればするほど医療でお金を稼げるから。
などです。
以前は医者個人の裁量で、もう医療しないほうがいいなどその人の人生を考えて言ってくれた時代もあったかもしれませんが、多望な業務や訴訟問題などでそのような人は少なくなっていると感じます。
また個人の裁量で行う医療は時代にそぐわないとも思います。
なのでガイドライン等である程度クリアに、過剰な医療をしないための線引きをすることが必要なのではないかと思っています。
たとえば以前提案した
1つ目は、65歳以上で現在要介護・要支援の高齢者に対して延命のための医療はしない
2つ目は、75-80歳以上の健康寿命を超える高齢者には延命のための治療は行わない
のようなものです。
基本的にはガイドラインにのっとって医療を行い、もし延命のための治療を本人がしたい場合には、その時には若い人と同じ分だけ医療費を負担してもらって行うのがいいのではないかと思います。
安楽死のような積極的な行為は、非常に議論が必要になってくることだと思いますし、実現するまでには大きな壁が何個もあると思います。
そうではなく、まずはやりすぎている医療をやらなくするほうが現実的だと思います。
コメント