癌で死ぬことも悪くない。 介護が必要な期間はある程度限られるし、自分も周囲も心の準備をするための時間がある。

医療のこと

こんにちは、かずたです。

急性期病院に勤務している医師です。

高齢者での延命のための治療について、今回は癌について考えたいと思います。

これは終末期の図になります。

引用:Perspectives on care at the close of life. Serving patients who may die soon and their families: the role of hospice and other services JAMA 2001 Feb 21;285(7) 

現場で働いていても、これは実感できるグラフです。

ここで仮に介護が必要な機能のレベルをオレンジ線とすると、介護が必要な期間は青い線の期間になります。

癌は考え方によっては

“戦うべき相手”ではなく、“生き物に備わった死ねる仕組み”であり、

介護が必要な期間も限られ、自分や周囲にも心の準備ができる時間があり、自分らしく人生を終えるための準備ができるものだと私は思っています。

生き物は必ず死にます。

どんな生き方をしたいかを考えるとき、どんな死に方をしたいかを考えることは大事だと思います。

高いものでは年900万円くらいする化学療法をして余命を伸ばしても、伸ばした期間化学療法の副作用に悩まされたり、

60万以上かかる癌手術をして余命を延ばしても、入院している間にぼけてしまったり体力も落ちてしまったり、

余命が伸びた分、老化でフレイル・認知症になったりと、

寿命が延びたからといって、自分らしく人生を終えることができるのかといったら、そうとは限りません。

小児の癌は病気だが、高齢者の癌は老化であるという人もいます。

癌で自然の形に人生を終えるのは、幸せな人生の終え方の一つではないかと思います。

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